NTTグループは7月から、主要7社の従業員3万人規模にテレワークを導入するという。この取り組みは、日本経済と日本企業に変革を次々と起こしていく可能性を大いに秘めている。どんなことが起きていくのか、共に考えてみよう。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
NTTを褒める文章は初めて?
「3万人テレワーク」で働き方が変わる
NTTという会社について、筆者が肯定的な文章を書くのは初めてかもしれない。1980年代の株式売り出しの頃から折に触れて注目しているので、かれこれ30年以上NTTおよびNTTグループについて見ていることになる。
NTTグループは、主要7社の従業員の半分となる約3万人を原則としてテレワークの働き方にして、国内のどこにでも居住できる制度を7月から導入する。勤務場所は自宅やサテライトオフィスなどとして、出社が必要になる場合は交通費・宿泊費等を出張扱いで支給する方針だという(「日本経済新聞」6月19日)。
いわゆる「IT企業」と呼ばれるような相対的に歴史の浅い会社でテレワークを導入している会社は多くあった。しかし、NTTのように歴史のある大企業がこれだけ大規模にテレワークを導入する事例は聞いたことがない。
率直に言って素晴らしいと思うし、間違いなく他の大企業にも影響が及ぶだろう。後退させずに実現してほしいものだ。