米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、インフレと雇用に関する目標を実現するための政策ツールについて、正確さの点で短剣よりも、むしろ斧(おの)のようだと認識している。それでも、彼らは金融政策ツールを研ぎ澄まそうとする姿勢は見せていない。ジェローム・パウエルFRB議長は22、23両日の議会証言で、失業率の急上昇やリセッション(景気後退)を招かずに、FRBの手の届かない要因に起因する高インフレを抑制することに苦慮していることを説明した。FRBがこの使命を達成するために用いている手段は、短期金利の誘導目標の調整と、9兆ドル(約1220兆円)規模に達したバランスシートの段階的縮小という周知の計画だ。3月時点でゼロ近辺だった政策金利の誘導目標はすでに1.50~1.75%まで引き上げられており、さらなる大幅利上げも想定されている。