米連邦最高裁は24日、人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下した。中絶の合法性を巡る判断は各州に委ねられることになる。最高裁は今回、妊娠15週を過ぎた中絶を禁じるミシシッピ州の州法について、合憲と判断した。これはロー判決までさかのぼる最高裁判例で認められてきた期間よりも2カ月ほど早い。ミシシッピ州法を支持した最高裁の保守派判事らは多数意見で、中絶に対する憲法上の権利を認めたロー判決は重大な誤りであり、最高裁はこの誤りを数十年にわたり続けてきたとの見解を示した。サミュエル・アリート判事は多数意見で「憲法は中絶について何ら言及しておらず、そうした権利はいかなる憲法の条項によっても暗黙的に保護されていない」とし、「今こそ憲法に耳を傾け、中絶の問題を国民に選ばれた代表者に戻すべき時だ」と述べた。
中絶の権利認めた「ロー対ウェイド判決」、米最高裁が覆す
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