米連邦最高裁判所が中絶に関する憲法上の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆したことで、今秋の中間選挙の行方にも大きな影響を与えそうだ。民主党は中絶の権利擁護を選挙の争点に掲げる一方、共和党は中絶反対運動における重大な転換点となる偉業だと訴えている。「この残酷な判決は言語道断であり、胸が張り裂ける思いだ」。ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)は24日、判決を受けてこう主張した。「だが間違いなく、すべては11月の選挙にかかっている」ジョー・バイデン大統領もホワイトハウスで中間選挙に触れ、「この判決を最終決定にしてはならない」と訴えた。共和党指導部は総じて最高裁の決定を歓迎している。ミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州)は「憲法と、社会で最もぜい弱な人々にとって歴史的な勝利だ」との認識を示した。