ウクライナとの戦争が膠着(こうちゃく)する中、ロシアは外貨建て国債で1世紀ぶりのデフォルト(債務不履行)に陥った。通貨ルーブルの暴落を予想する声が出てもおかしくないが、ロシアは正反対の悩みを抱えている。ルーブルは足元、対ドルで約7年ぶりの高値に急伸。ウクライナ侵攻直後の急落から驚くべき復活を遂げた。29日時点で、ルーブルは今年に入り対ドルで41%上昇と、主要通貨の対ドル相場で値上がりトップに立っている。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データが56通貨を分析した。通貨高は痛みを伴う。ルーブル高はドル建ての石油・ガス収入の価値を目減りさせることで、財政を圧迫しかねない。キャピタル・エコノミクスの新興国エコノミスト、リアム・ピーチ氏は、今のルーブルは「ロシアにとって強すぎる」と話す。ルーブルは3カ月前と比べて対ドルで2倍近くに値上がりしており、ルーブル換算の石油・ガス収入は約半減しているという。「財政への打撃が続く公算が大きいことで、政策担当者は懸念を強めているはずだ」
ロシアの意外な悩み、ルーブル高
ルーブル高はドル建ての石油・ガス収入の価値を目減りさせ、財政を圧迫しかねない
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