アジアで第2、3位の経済規模を誇る日本とインドは、深刻な電力不足と世界的なエネルギー不安に見舞われる中で、2030年の気候変動目標の達成に向けて競い合っている。実現には巨額の資金を投じる必要があるが、投資が保証されているとは言い難い。アジアの気候変動に関する政策については、世界最大のエネルギー消費国である中国に注目が集まりやすい。だが、日本とインドも気候変動対策において大幅な変革が必要だ。両国とも野心的な目標を掲げているが、新たな著しい脅威が迫っている。かねてインフラ投資の実施に苦戦しているインドは、世界的な金利上昇によって壮大なクリーン発電計画がとん挫する恐れがある。日本では、足元の電力価格政策の変更により、グリーン発電施設の資金調達が難しくなるかもしれない。さらに言えば、両国ともインフラに適した土地をなかなか確保できないという、慢性的な問題も抱えている。
日印が抱くグリーンな野望、達成には難題
環境に優しいアジア、実現への道のりは中国と同じく日印も険しく
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