TRFと東大が共同開発したダンスが、高齢者の認知機能を改善した結果報告写真はイメージです Photo:PIXTA

 ダンス・ボーカルユニットのTRFと東京大学先端科学技術研究センターの研究グループが共同開発した高齢者向けのダンスが、認知機能や実行機能の改善に有効であることを示す、無作為化比較試験の結果が報告された。同研究センター身体情報学分野の宮﨑敦子氏(研究時点の所属は理化学研究所)らによる論文が、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に5月19日掲載された。

 運動に認知機能や実行機能(物事を考えて行動する機能)の低下を防ぐ効果があることが知られており、高齢者に対して運動が奨励されている。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより屋外での運動が制限される状況が長引いている。これを背景として宮﨑氏らは、屋内でも行えるダンスを開発し、認知機能や実行機能に及ぼす影響を検討した。

 ダンスは有酸素運動であるとともに、曲に合わせて振り付けを模倣するというデュアルタスク(二つの作業の同時処理が必要な)運動でもあり、認知機能などの維持・改善により効果的な可能性が想定される。本研究では、30年以上の経験を持つダンス・ボーカルユニットであるTRFとともに、30分のダンスプログラムを開発し介入に用いた。