米インフレ率は新型コロナウイルス禍をほぼ通じて、米連邦準備制度理事会(FRB)の予想を上回って推移してきたが、年内は上振れが減るかもしれない。とはいえ、FRBが積極的な利上げ姿勢を撤回するには至らないだろう。米商務省が30日公表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.6%、前年同月比6.3%それぞれ上昇となった。FRBはインフレ指標として同指数を重視する。インフレの基調的なすう勢をより正確に示すとされるコア指数(食品・エネルギー除く)の伸び率は前月比0.3%、前年比4.7%だった。総合、コアのいずれもエコノミスト予想を下回り、なお高水準ながらも、鈍化の兆しが見え始めたと言えそうだ。コア指数は前年比ベースで昨年10月以来の小幅な伸びとなった。
インフレ熱波に陰り、FRBにはまだ我慢ならぬ熱さ
インフレ鈍化でもFRBの積極的な利上げ姿勢は揺るがず
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