企業が長年、将来が期待できると声高に訴えてきた人工知能(AI)。専門家は今こそ期待をリセットするべきだと主張している。このところAI技術が飛躍的に前進し、企業は人間が介在したかのような会話や詩、画像を生成できるシステムを今まで以上に開発している。しかしAIの倫理学者や研究者は一部の企業がAIの能力を誇張していると指摘する。誇張によって広範囲にわたり誤解が生じたり、AIの力や間違いを犯す可能性について政策立案担当者の認識がゆがめられたりしているという。米シアトルの非営利組織、アレン人工知能研究所のオレン・エツィオーニ最高経営責任者(CEO)は「私たちはバランスを失っている」と指摘する。アルファベット傘下のグーグルのエンジニアは今月、同社のAIシステムの一つについて、意識があると見なされるべきだと自身の宗教的信念に基づき主張した。このとき多くの人が動揺した理由の一つは、AIに対する期待が現実と一致していないことにあるとエツィオーニ氏ら研究者は指摘する。
AIへの高い期待、現実と一致せず
グーグルやメタが多額の投資を続ける人工知能は、ますます人々の想像をかき立てている
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