仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方写真はイメージです Photo:PIXTA

これまで“脳のメモ帳”ワーキングメモリの鍛え方について様々なアプローチから解説してきたが、最終回となる今回は、さらにステップアップしたテクニックを紹介しよう。宇都出雅巳氏の新著『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』からの一部抜粋で、短時間で大量の項目を覚えるための、強力な「記憶術」をお教えする。

メモリーマスターへの2つの道は
「記憶術」と「印象づけ」

「外部記憶補助」や「符号化」などをうまく活用することでほとんどのメモリーミスをなくすことができます。本稿ではさらに記憶を活用して「メモリーマスター」となるための道を紹介しましょう。メモリーマスターへの道には2つの道があります。

 ひとつは「記憶術」を活用する道です。

 記憶術とはたとえば円周率を何十万ケタ記憶している人や、バラバラに並んだ52枚のトランプの順番を数十秒で覚えてしまう人が使っているテクニックです。これまでは試験勉強などで使われるちょっと「怪しげな方法」でしたが、最近では「メモリー・スポーツ」としてだんだんと一般への認知も広まっています。

 ただし、この記憶術は強力ですが限界もあり、あえて基本対策ではふれませんでした。

 もうひとつの道は、「印象づけ」。

 印象づけとは、単にミスをなくすだけではなく、記憶を武器にして相手に強い印象を与えていく道です。

 具体的に言えば、多くの人が記憶を苦手としている「名前」と「数字」を積極的に記憶し、活用する道です。

 今回は「メモリーマスター」となるための第1の王道、「記憶術」について解説していきます。