1997年7月1日に英国から中国に返還された際、香港はアジアで最も自由で開かれた都市の一つだった。しかし現在は、抑圧的な警察国家となっている。何がうまくいかなかったのだろうか?返還後の最初の数年間、中国政府は少なくとも表面的にはそれなりにうまく振る舞った。2002年に香港を離れたとき、私は「一国二制度」の原則は続くだろうと慎重ながらも楽観していた。中国政府の強権的な支配が強まっていることが明らかになり始めたのは、ここ10年のことだ。普通選挙を求める2014年の民主派の大規模デモ「雨傘運動」以降、自由は目に見える形でむしばまれ始めた。2019年の抗議行動に対し、警察が衝撃的な残虐行為を行った。最後の一撃となったのは、極めて厳格な国家安全維持法が2年前に制定されたことだ。この法律によって、残っていたあらゆる自由が奪われ、元議員、ジャーナリスト、労働組合員、市民社会活動家らが投獄された。
【寄稿】香港返還25年、いま必要なこととは
アジアで最も自由な都市の一つは暗い警察国家に変貌
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