自己肯定感の低さに悩みがちな人は、いかにも自己肯定感が高そうな人を見ると、圧倒され、「それに比べて自分は……」と落ち込んでしまいがちだ。しかし、見た目で自信満々に見える人の中には、実は自己肯定感の低い人や実力の乏しい人も結構いるものだ。本当に自己肯定感が高い人とはどんな人なのか。そして自己肯定感を高めるためにはどうしたらよいのだろうか?(心理学博士、MP人間科学研究所代表 榎本博明)
自己肯定感が高そうに見える人にも二つのタイプがある
自己肯定感が低いと悩んでいる人は、周囲の自己肯定感が高そうな人が気になってしまいがちなものだ。だが、その中には本当に自己肯定感が高い人もいるが、実際には自信がなく不安でいっぱいなのに、それを隠し、見抜かれないように自信満々にふるまっている人もいる。
前者を見てモデルにするのはよいが、自己肯定感の低さに悩む人は、ともすると後者の見せかけにだまされて圧倒され、引け目を感じ、気持ちが萎縮してしまいやすい。
なぜなら、前者の本当に自己肯定感が高い人は、無理に自信満々にふるまわなかったり、むしろ謙虚だったりするために目立たないからだ。ゆえに、いかにも自信満々にふるまう人をモデルにしてまねようとしても、本当の自己肯定感は身につかない。