今年も半年が過ぎた。しかし、2022年に待ち受けている凶報の半分も過ぎ去ってない可能性を市場は恐れ始めている。最初の6カ月は予想外の出来事の連続だった。インフレ、過去40年で最大の債券急落、史上まれに見るハイテク株の下落、そして暗号資産(仮想通貨)の大暴落だ。現在迫りつつあるのが、投資家が何カ月間も無視してきたリセッション(景気後退)のリスクだ。しかし、経済が低迷するのか、順調に行くのかは、まだわからない。リセッションの確率に関する予測はさまざまだ。ドイツ銀行の顧客調査では90%となっている一方で、ニューヨーク連銀のリセッション予測モデルでは4.11%と怪しい数字が出ている。投資家がようやくリセッションの不確実性に注目するようになった一方で、世界の他の国々のリスクが米投資家を直撃する可能性が出ている。日本がついに債券利回りの上昇を容認せざるを得なくなり、同国の投資家が海外に投じていた資金が再び国内に吸い上げられるかもしれない。欧州では、中央銀行がイタリアへの新たな支援策を約束したが、これには既視感を覚える。もし、それがいつもの「少な過ぎるし、遅過ぎる」パターンを踏襲することになれば、ユーロ圏債務危機の再来に直面する可能性があり、市場はその準備ができていない。