新型コロナウイルス流行下の爆発的な需要の伸びで世界的な供給不足に陥った半導体に、減速の兆しが出てきた。背景にはパソコン(PC)販売の失速や暗号資産(仮想通貨)市場の混乱がある。自宅勤務や遠隔授業の普及でコロナ初期に販売が急増したPCなどのデバイスは、足元のインフレ高進で買い替えに急ブレーキがかかっている。また仮想通貨の暴落を受けて、マイニング(採掘)や高性能ビデオゲーム向けの半導体を確保しようと店舗前で野宿するコロナ初期の光景も過ぎ去った。自動車やデータセンター向けなど一部の半導体需要はなお旺盛ながらも、インテルやエヌビディアといった大手も含め、半導体メーカーからは厳しい先行きを警戒する発言が相次いでいる。