巨大なガスパイプライン経由で供給されるロシア産ガスへの依存脱却を目指すドイツの前に、長らく水面下で眠っていた問題が立ちはだかっている。海底でさびついた100万トン余りの兵器や爆発物だ。ウクライナでの戦争が長期化の様相を呈する中、ドイツは目下、北部沿岸に液化天然ガス(LNG)ターミナル施設3カ所の建設を計画している。米国やカナダ、カタールからガスを海上輸送することで、ロシア一辺倒だったエネルギー調達先を分散することが狙いだ。ロシアはガス供給を削減しており、ドイツ経済は製造業を中心に厳しい環境に置かれている。ところが、ターミナル施設を稼働させるには、ディーター・グルディン氏と同氏の経営するシーテラ社のような専門家が、周辺の不発弾を見つけ出し、除去する必要がある。しかも、かなりの量だ。
ドイツの脱ロシア産ガス戦略、立ちはだかる不発弾
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