馬券方式の問題

 馬券方式は手軽でよい。しかし、エンターテイメント目的の場合はまだしも、予測を目的とした場合は少し問題がある。なぜなら、馬券方式の場合は、同じ馬券であればいつ購入しても結果が同じだからである。購入者にとっては、早めに購入するよりも、どの馬券を買うのがよいか出走ギリギリまで見極めるほうが得策である。

 このことを、オッズを利用して何らかの現象の発生確率を計算する立場から見ると、現象の起きる直前にならなければ望む予測の結果がわからないことになる。これは予測という点では大きな問題である。意味のある予測を行うためには、その予測結果に応じた対策をとることが可能なことが重要である。対策をとるだけの時間的余裕がない状態での予測には、あまり意味がない。

株式市場方式

 一方、一定の事前予測を可能にする形式の予測市場として株式市場型がある。これは馬券方式と並ぶ、もう一つの主力の方式といえる。

 株式市場型では、実際の株式市場のように、一度購入したチケット(証券)を期間中何度も売買することができるように設計されていることが多い。最終的には、予測テーマの結末が明らかになった時点で、決められた条件にもとづいてそのチケットを払い戻す。少しわかりにくいかもしれないので、先ほどの天気保険の例で説明しよう。