米連邦準備制度理事会(FRB)当局者はここにきてリセッション(景気後退)リスクも許容する構えをみせている。持続的なインフレ高進を招く消費者心理の変化の方がさらに厄介な展開だと確信しており、これを何としても回避するためだ。ジェローム・パウエルFRB議長は先週、前回の連邦公開委員会(FOMC)会合で1980年代以来最大となる0.75ポイントの利上げに踏み切ったことで、景気後退入りのリスクは高まると率直に認めた。「行きすぎるリスクはあるか。間違いなくそのリスクはある。だが、経済に対する最大のリスクだとは思わない」。パウエル氏はポルトガルが開催された欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムでこう述べた。「最大の過ちは(中略)物価安定の回復への取り組みを怠ることだ」