富裕層が購入する高級品は、食料品よりも価格上昇率がはるかに高い。だが、高級品が魅力的なインフレヘッジを提供するとしても、投資家が先を競って高級ブランド株を買うことはなさそうだ。高級品には、他の消費財にはない優位性がある。高級ブランドの商品価格が高ければ高いほど、ステータスを重視する消費者にとってより魅力的に映るからだ。このため、高級品への投資はインフレ対策になるというのが従来の定説だった。高級バッグ、高級時計、不動産管理費などの商品・サービスの価格推移を追跡する米経済誌フォーブスの「Cost of Living Extremely Well Index(超富裕層生活費指数、CLEWI)」は、過去約40年間で毎年5%の上昇を記録している。これに対し、同期間における米国の消費者物価指数(CPI)の上昇率は3%だ。