ロシアの石油・天然ガス産業は好況期にある。エネルギー価格の高騰がロシア経済を支え、ウクライナ戦争の資金源になっている。それがいつまで持続するかは、部分的には北極圏の大規模石油プロジェクトの成否に掛かっている。ロシアは、このプロジェクトが世界をエネルギー危機から救うと述べている。ボストーク・オイルは、ロシア極北地域の荒涼とした地形に広がる広大な油田地帯のプロジェクトで、精製が容易な高品質の原油を生産する予定だ。1日当たり生産量は、2020年代末には世界の2%を占めることになる。プロジェクトを主導するロシアの国営石油大手ロスネフチのトップは先月、人類を救うとの理由でこの油田地帯を「ノアの方舟」になぞらえた。