ロジカルシンキングでデザインセンスを磨く――『見るだけでデザインセンスが身につく本』Alberto Andrei Rosu/Shutterstock

ビジネスに「デザイン」の視点を生かしたいとき、ビジネスパーソンは「デザインの技術」についてどこまで知っておくべきでしょうか? デザイナーではない人(ノンデザイナー)がゼロからデザインを学びたいとき、何から始めればいいのでしょうか? 連載第3回で取り上げるのは、そんな疑問に答えてくれる入門書です。デザインの基本的なルールが分かりやすく解説されているだけでなく、「デザインセンスは後天的に身に付けられる!」と、ビジネスパーソンに自信を与えてくれる一冊です。

ノンデザイナーがデザインを学ぶには?

 普通のビジネスパーソンは、どうやってデザインを学べばいいのでしょうか?

 海外では、ビジネススクールのカリキュラムに「デザイン」が含まれるのが当たり前になりつつあると聞きますが、日本ではあまりなじみがありません。だからといって、デザイナー志望でもない人間がデザイナー養成学校に通うのもおかしな話です。まずはノンデザイナー向けの入門本からヒントを得よう――。そう思って探し当てたのが、『見るだけでデザインセンスが身につく本』です。

 著者は「日本デザイン」というデザイン会社です。クリエーティブスクールを運営し、デザイン教育、デザイン研修も手掛けている会社だそうです。本書でそのカリキュラムの一端をのぞき見られるというわけですね。私の疑問に答えてくれそうで期待が高まります。

 本書を手に取ったら、まずCHAPTER 1をパラパラとめくってみてください。

「なぜ多くの企業がデザインを重視するのか?」「デザインセンスの不足による業績悪化」「利益を4倍、株価を2.1倍にしたデザイン」……など、ビジネスの現場で“デザインの大事さ”を語りたいとき、非常に参考になる構成になっているのです。読んでいるうちに、説得しないといけない上司がいない私ですら「これなら上司を説得してデザイン研修を会社に導入できる!」という気持ちになったほどです。