米国民は新型コロナウイルス禍初期の2年間に多額の貯蓄を積み上げたが、今はそれに手を付け始めている。  ムーディーズ・アナリティックスによると、コロナ流行が始まった時期から2021年末までの間に、米家計は2兆7000億ドル(約365兆円)の超過貯蓄を積み上げた。感染対策のロックダウン(封鎖措置)によって外出できなくなり、お金の使いようがなかった。さらに、景気対策として3回実施された現金給付により、収入が押し上げられた。  それが今では、数十年ぶりの高インフレに賃金上昇率が追い付かず、米国民は貯蓄を取り崩して出費を賄っている。