生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【Twitterフォロワー30万人超の精神科医が教える】<br />「期待しない生き方」が正解なワケ

期待値が高いと落胆も深くなる

きょうは「期待しない特効薬」をみなさんに授けたいと思います。まあ、特効薬になるかどうかは、アナタ次第なのですが、アテクシ自身は「こうやってますよ」という特効薬があるのです。

それはなにかというと、こんな言葉を心のなかでつぶやくようにしているんです。「まあダメかもしれないけれど、そのときは、そのときだね」。そうすると不思議なことに、期待値がだいぶ下がって、「なるようになるわ」っていう潔い気になります。

これは、すぐにやることが大事。「すぐに」というのはどういうことかというと、「面白そうな話が舞い込んだ」「期待できるような話が飛び込んできた」となると、うれしくなって、気持ちが高ぶって、一気に期待値が上がりがちです。

勝手に期待して勝手に裏切られて怒るという病

その話がうまくいくこともあれば、残念な結果に終わることもあります。後者の場合、期待値が高ければ高いほど落胆の度合いが深まりがちです。そうならないようにオイシイ話が舞い込んだら、すぐに「まあダメかもしれないけれど、そのときは、そのときだね」ってつぶやくようにしているんです。

期待値が高すぎると、うまくいくものも、うまくいかなくなったりもします。声がかかったのに、その後、話が進まず、ソワソワしたりイライラしちゃったりして、「あの話はどうなった!?」なんて催促して急かしたりすると、相手の気持ちが萎えることもあるでしょう。

相手に期待しすぎて落胆の種をため込んでしまう

期待値が高いと、せっかくのいい話を自分で潰してしまう可能性だってあるということ。喜びのあまり期待値が急上昇すると、その後、あっという間に不安や苛立ちの原因になります。だから、過度な期待を最初からしないように特効薬を飲むように心のなかでつぶやいておくといいのです。

そして、いったん忘れてしまうくらいに期待値を下げておく。熱くなっている感情を冷ましておくと、心に余裕が生まれ、ちょうどいい心持ちになります。期待値が高まったと感じたら、すぐにその場で自分に水をかけて、冷ましてください。それがいちばんの特効薬になります。

『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。