市場にとって最大級の脅威の一つには、明らかにおかしな点がある。その脅威とは、長い歴史を持つミシガン大学の消費者信頼感指数が、1950年代の統計開始以降で最低となっていることだ。消費者が家計や経済について不安を抱くと、消費が自己実現的に減り、リセッション(景気後退)を招く恐れがある。消費者心理はそこまで悪化しているだろうか。深刻な景気後退下でガソリンを求める車が(もし買えたとしても)何時間も長い列を成した1974年よりも悪いのだろうか。失業率が現在の約2倍、インフレ率が2桁、金利が14.5%だった1980年よりも、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の後よりも、世界の銀行システムが破綻寸前に陥った2008年よりも悪いのだろうか。そんなわけはないだろう。