ジョー・バイデン米大統領の今年に入ってからの行動は、政策課題を政治的大惨事に変えるやり方を示す典型的な例だ。精神科医キューブラー・ロスの悲しみの5段階のように、バイデン氏の中間選挙戦略の6段階は否定から始まる。大統領は自らの過ちと暗い経済環境について、状況は実態より良いと主張して対処している。昨年8月のアフガニスタン首都カブールからの米軍の混沌(こんとん)とした撤退を覚えているだろうか。バイデン氏は「この任務の類いまれな成功」を称賛した。同氏は、アフガニスタンを事実上タリバンに引き渡したことを「正しい決定」と擁護し、その後に生じた混乱について「われわれは準備ができていた」と説得力のない主張を行った。