ボリス・ジョンソン氏(58)は2019年、現代の英国に変革をもたらすと誓って首相に就任した。それから数カ月以内に英国を欧州連合(EU)からの正式離脱に導き、総選挙に圧勝。与党・保守党の支持層を初めて労働階級の有権者にまで広げた。党内からはジョンソン氏が首相の座に10年とどまると予想する声すら出ていた。だが、わずか3年足らずで辞任に追い込まれた。政策に対する反発からではなく、不信感を募らせた身内の議員から見限られた末の退場だった。ケント大学のマシュー・グッドウィン教授(政治学)は「ブレグジット(英国のEU離脱)を断行するジョンソン氏は実に革命的だった」と話す。「だが、綿密さが要求される政権運営に必要な人格や気質を全く備えていなかった」
英首相転落 政界の花形から与党の「お荷物」に
ブレグジットを実現したジョンソン氏は、一連のスキャンダルで求心力を失い、首相就任からわずか3年足らずで辞任に追い込まれた
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