参議院選挙で当選確実となった自民党候補者に花を付ける岸田文雄首相(自民党総裁)参議院選挙で当選確実となった自民党候補者に花を付ける岸田文雄首相(自民党総裁) Photo:JIJI

与党の自民党・公明党の圧勝で終わった参議院選挙。これによって岸田政権はがっちり権力基盤を固めたかと思いきや、事態は複雑な展開を見せている。選挙直前に起きた安倍晋三元首相の暗殺事件によって、「事実上の政権交代」が始まっているのだ。自民党で何が起きているのかに迫る。(イトモス研究所所長 小倉健一)

安倍晋三元首相の暗殺事件によって
「事実上の政権交代」が始まった

 発足から丸9カ月が過ぎた岸田政権。7月10日に投開票が行われた参議院選挙で自公は圧勝し、自民党だけでも参議院の過半数を獲得した。岸田文雄首相が衆議院を解散しなければ、この先、3年程度は大型国政選挙がないことになる。岸田政権は、形式的には日本国民からの「3年間の信任」を得たことになった。

 しかし、全国紙政治部デスクは、「参院選中の安倍晋三元首相の暗殺事件により、自民党が変質してしまう可能性がある」と指摘する。「事実上の政権交代」が始まっているというのだ。一体、自民党で何が起きているのだろうか――。