トランプのイラン攻撃で円安・株安・債券安が加速!想像を絶する「悪夢のシナリオ」に震える3月9日の日経平均株価は原油高の影響で史上3番目の下げ幅になった Photo:JIJI

イラン情勢の緊迫化が世界経済を脅かしている。原油先物が急騰した影響で株価は急落。トヨタ自動車が減産を発表するなど、日本の主要産業にも打撃が及ぶ。中東でアルミニウム、尿素、ヘリウムなどが生産停止したことで、世界の供給網が混乱している。他方、この戦争はロシアのプーチン大統領に多くのプラス要素をもたらすはずだ。一方、中国の習近平国家主席にとっては、プラスばかりでもないはず。日本はいかに国益を維持できるか、高市政権の腕の見せどころになるが楽観は禁物だ。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

イラン紛争で日本「トリプル安」
トヨタがランクル減産、産業にも打撃

 米国とイスラエルのイラン攻撃で、世界の金融市場、実体経済にかなりの衝撃が走っている。ホルムズ海峡の一部封鎖への懸念から原油、液化天然ガス(LNG)の価格は急騰。原油先物市場は一時1バレル119ドルを突破した。戦争が長期化すれば1バレル150ドル台にまで上がるとの試算もある。

 原油高を背景にスタグフレーション(物価高と景気後退の同時進行)への懸念すら広まりつつある。3月9日の東京株式市場、日経平均株価の下げ幅は一時4200円を超えた。

 インフレへの懸念が高まり、国内の金利も上昇している。高市政権下の財政悪化への懸念も重なり、円も売られた。 “有事のドル買い”によってさらに円安が進み、1ドル160円台も視野に入り始めた。東京市場は、株安、円安、債券安(金利上昇)の「トリプル安」が鮮明となった。

 実体経済にも影響が及んでいる。海運と空輸の寸断により、わが国から中東地域への輸出は事実上、停止している。これを受けてトヨタ自動車は3月末までに2万台、4月に1万8000台の生産を削減する計画だ。