日韓間は、留学生のバイト代は5年間、
年間2万ドル以内は課税されない

 前置きが長くなった。日本政府が中国人留学生アルバイト給与の免税を撤廃する方向で調整を進めるという報道を受けて、韓国のメディアは一斉に「日本、中国留学生のアルバイト給与免税廃止を検討……韓国留学生も?」と、産経新聞の記事を引用報道した。

 日本と韓国の間には「日韓租税条約」が存在する。「当該交付金、奨学金及び勤務による報酬の額の合計が年間2万合衆国ドル又は日本円若しくは韓国ウォンによるその相当額を超えない場合には、当該一方の締約国において租税を免除される。ただし、その者は、いかなる場合にも、継続する5年を超える期間当該免除を受けることはできない」という内容だ。

 日本では、地方入国管理局で「資格外活動許可」さえ取得すれば、外国人留学生はいつでもアルバイトを始めることができる。だが、韓国に日本人が長期留学に行った場合、6カ月以上修学してからでないと「資格外活動許可」の申請ができないことになっている。

 また、日本では最大週28時間(長期休み中は1日8時間以内、上限週40時間)働けるのに対し、韓国は平日基準で週20時間以内(土日・長期休み中は無制限)と、それぞれに与えられる条件にも差がある。

 日本では、外国人観光客の多い都市を中心に韓国人アルバイトの姿をよく見かける。最近では田舎のコンビニでも見かけるようになった。一方、韓国では日本人アルバイトを見かけることはまれだ。一部の日本料理店で働いている人がいるくらいで、長年ソウルに暮らしている筆者でも、コンビニやカフェで勤務する日本人留学生の姿を見たことがない。

 そもそも、日本に来る韓国人留学生の数が1万8338人(2019年5月1日時点/日本学生支援機構)なのに対して、韓国に行く日本人留学生は2662人(2018年12月時点/韓国法務部)しかいないのだから、筆者が日本では韓国人アルバイトをよく見かけると感じるのは当然かもしれない。