コロナ禍での日本人留学生の就活事情とは?
コロナ禍での日本人留学生の就活事情とは? Photo:PIXTA

海外の大学で学ぶ日本人留学生(海外大生)は、意外にも普通の日本人学生と同じように「日本式」の就職活動をすることが多い。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、大学の長期休暇中に日本へ戻って活動したり、海外大生向けに日本企業が主催するイベントに参加したりして、内定を獲得するのが主流だった。それに対し、21年卒学生の採用選考からは、オンライン説明会や選考を実施する企業が増えたことで、一般の日本人大学生と同じ環境で就活ができるようになったかと思いきや、実際に話を聞くと、そう簡単ではない事情が浮かび上がってきた。(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

海外大生の多くはコロナで帰国
それでも就活が大変な事情

 日本学生支援機構(JASSO)によると、大学などが把握している日本人で海外留学している学生の数は、2018年度で11万146人に上る。留学生が多いのは米国、オーストラリア、カナダなどだが、近年ではアジア圏に留学する学生も増えている。そんな彼らは、新型コロナの感染拡大によって、現在、どのように過ごしているのか。

「私たちの就活スカウトサービスを利用する海外大生に話を聞くと、約8割は日本に帰国して、オンラインで授業を受けている」

 こう語るのは、エン・ジャパンの就活スカウトサイト「iroots」で、海外の大学に通う日本人留学生と企業のマッチング事業を担当する周恬(しゅう・てん)氏。周氏によると、これまでも日本人留学生の多くは海外でそのまま就職するより、帰国して日本で就職するケースが多かったという。

「海外では大学で学んだことをそのまま生かす就活が主流で、選択肢が狭い。一方で日本は、大まかにいえば文系・理系のような分け方で、新卒採用での選択肢が広いため、帰国して日本の大学生と同じように就活する人が多い」(周氏)

 最近はオンライン企業説明会やWeb面接を実施する企業が増えており、それなら帰国していてもいなくても、日本の大学に通う一般の学生と遜色なく就活できるのではないかと思える。しかし、話はそう単純ではないという。

「オンライン授業は、当然のことながら海外の大学の時間割で行われる。人によっては、日本時間の真夜中に授業を受けなければならず、日本の大学生と同じ生活リズムで過ごすのは難しい。また、多くの海外の大学では日本の大学と異なり、寝る時間も削らなければならないほど、課題や勉強に追われている。さらに、一般の日本人大学生のコミュニティに入っている学生も多くはなく、最新の就活情報を得にくいといった問題もある」(周氏)