テレビドラマに出てくるコンビニでも、外国人店員が当たり前になった令和の日本。近い将来、コンビニのみならず、日本社会のあらゆる場面で、同じくらい外国人が当たり前の存在になるだろう。そうなれば、「キツい仕事は外国人にやってもらおう」という甘い考えでは立ち行かないはずだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
もはや外国人なくして
コンビニの現場は回らない
やはり「ドラマは時代を映す鏡」ということなのかもしれない。
現在放映中の「まだ結婚できない男」における「コンビニ」の描写が、13年前と大きく変わっている、と一部で注目が集まっているのだ。
ご存じない方のためにザックリ説明すると、このドラマは2006年に放映された「結婚できない男」の続編。主人公はちょっと変わり者の建築家で、独身生活を謳歌している。そのため、近所のコンビニをよく利用するという設定なのだが、そこのバイト店員が前回からガラリと変わった。06年版のバイトは「ギャル」を思わせる若い女性だったが、令和版の第1話には、外国人バイトが登場したのである。
これは少し考えればすぐにわかることだ。13年前はまだコンビニというのは、日本人の若者が働く場所だった。しかし、他業種と比べて格段に安い時給と、それに見合わぬほど多くの仕事、そして人手不足を理由に無理にシフトを詰め込まれるなどの理由から若者がどんどん敬遠して、近年では外国人バイトが急激に増えている。
例えば、日刊工業新聞(2019年1月9日)によれば、ローソンで働くアルバイト20万人のうち、外国籍のバイトは増え続けており、今年1月段階で約1万5000人(7.5%)。セブン-イレブンも同社ホームページによれば全アルバイトの約8%は外国籍だという。
つまり、このドラマのコンビニの描写が大きく変わったのは、日本のコンビニがもはや外国人バイトなくしては回らない、というシビアな現実を反映しているのだ。