1983年に締結した日中租税条約は
そろそろ見直すべきだ

 日本政府が検討に入ったのは、1983年に締結された日中租税条約の改正だ。この条約では「教育を受けるために日本に滞在する中国人留学生が生計や教育のために得る給与を免税扱いにする」と定められている。

 この条約の内容を見直して「滞在国で課税を受ける」という近年の国際標準に合わせる方向で調整が始まった。ただし、これはあくまでも検討段階で、いつから適応されるか、本当に改正されるのか現時点では不明だ。岸田政権による、参議院選挙のためのアピールかもしれない。

 租税条約の見直しを政府に訴えかけたのは、自民党の小野田紀美氏だ。国会で「上限なく所得税がかからないのは中国だけだ」「世界のスタンダードに合わせるべきだ。日本人の学生を大切にすべきだ」と主張した。

 産経新聞の報道が出てから小野田氏は、自身のTwitterで「ひとつひとつ、当たり前になっていたおかしいことは直していかなければなりません。この件を指摘した者として、しっかり注視して参ります」とコメントを出した。若手議員が日本に不利な条約を撤廃しようとしている。