ダイエットや筋トレ、資格の勉強などに何度挑戦しても、結局挫折してしまった…という経験をお持ちの方は少なくないだろう。だが、「自分はダメな人間だ」と落ち込む必要はない。
累計11万部超えのロングセラー『小さな習慣』(スティーヴン・ガイズ著、田口未和訳)で解説している「習慣づくりの必勝法」を実践すれば、自己肯定感を高めながら目標を無理なく達成できるようになる。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「何をやっても長続きしない人」が無意識にやっているNGな行為を説明する。(構成/根本隼)

「何をやっても長続きしない人」が無自覚にやってしまうNG行為とは?Photo:Adobe Stock

「小さな習慣」に強い意志は必要ない

 小さな習慣(※)の基本は、こんなに簡単でいいの? と思うくらいの課題を自分に与え、それをほんのわずかな意志の力を使って実行するというものです。腕立て伏せを1回するのに、あるいはひとつかふたつのアイデアを思いつくのに、それほど強い意志は必要ありませんよね。

小さな習慣…あなたが新たな習慣にしたいと思っている行動を、もっともっと小さい形にしたもの。毎日100回の腕立て伏せが目標なら、毎日1回の腕立て伏せをする。毎日3000ワードの文章を書くことが目標なら、毎日50ワードを書く。つねに目標を達成できることが励みになり、さらに続けようと思うポジティブなサイクルが生まれる。
「何をやっても長続きしない人」が無自覚にやってしまうNG行為とは?

 小さな習慣を使えば、驚くほど大きな成果が得られます。まず、小さな課題をこなしたあとに、ほとんどいつも“おまけ”でもっと多くをこなせます。

 これは、私たちがすでにポジティブな行動を望んでいて、いったん始めてしまえば、やりたくないと抵抗する気持ちも弱まるからです。そして、小さな習慣として始めた行動は徐々に生活の一部になっていきます。

成功の積み重ねが自己肯定感を生む

 小さな習慣を使うと、まるで機械で送り出されるかのように、自己肯定感が生まれます。それどころか、自己肯定感がゼロであってもうまく行動を始められます。毎日の成功の積み重ねが、自己肯定感を高める訓練になるのです。

 毎日1回腕立て伏せをするぐらいなら、自分の能力に疑いを持つことなどありえません。この文章を読みながらセンテンスとセンテンスの間にぱっと終わらせることだってできるでしょう。小さな習慣は、自分を信じるためのトレーニングでもあるのです。

「何をやっても長続きしない人」がやっているNG行動とは?

 小さな習慣をごまかす方法はいくつかあります。まず、最もよくあるのは、「一日に腕立て伏せ1回」などの小さな習慣を選んでおきながら、こっそりもっと多くの回数を自分に求めることです。

 これだけは絶対にしないように、本当に注意してください。目標以上の成果を自分に課すたびに、それを達成するための意志の力が必要になるからです。

 他の習慣づくりや自己啓発の方法と違って、小さな習慣では弱気になるような要素はほとんどありません。腕立て伏せ1回だけでいいのであれば、成功のじゃまをするものなど何もありませんよね?

期待値さえ上げなければ、続けられる

 目標が小さいことは問題ではありません。あなたは成功のために自分の脳を鍛え、いつか成し遂げたいと思う目標の小さなバージョンを着々と達成していくのです(そして、あなたの熱意次第では、その「いつか」はすぐに訪れるかもしれません)。

 でも、本当にお願いですから、(中略)自分への期待値を上げたりしないでください。期待を小さくしておけば、もっとやりたくて仕方がなくなります。

 始めることでどれほどの力を得たかに気づけば、そして、始めたとたんにいつもモチベーションが追いかけてくると気づけば(始めるまでは休眠状態です)、あなたの生活はどんどん楽しくなっていくはずです
(本稿は、『小さな習慣』から一部を抜粋・編集したものです)