ロシアによるウクライナ侵攻以降、中国からロシアへのマイクロチップをはじめとする電子部品や原材料の輸出は増加しており、ロシアの経済的孤立と軍事力低下を狙った欧米の取り組みを複雑にしている。中国の税関統計によると、ロシア向けの半導体チップ出荷額は2022年1~5月に約5000万ドル(約70億円)と、前年同期から2倍強に膨らんだ。プリント回路の輸出も2桁台の伸びとなった。また酸化アルミニウム(アルミナ)に至っては、輸出量が昨年の400倍となっている。アルミナは武器製造や航空宇宙分野の重要素材であるアルミの製造に用いられる。輸出額の増加の一因にはインフレもありそうだ。それでも、米国から厳しい視線が向けられているにもかかわらず、多くの中国ハイテク企業がロシアと取引を続けていることをデータが示している。