国際コモディティー(商品)価格の高騰に陰りが見え始めた。ドル高による強い抵抗に遭っているためだ。原油、金属、農産物の価格は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて直後に跳ね上がったものの、6月初旬以降は大きく下落している。背景にあるのは、需要減退を招くリセッション(景気後退)が迫っているとの懸念だが、商品価格が総じてドル建てで取引されることも要因となっている。ドルが値上がりすれば、米国以外の買い手にとっては割高となり、需要を冷やすためだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げと世界経済への懸念から、主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は2002年以来の高値に上昇している。FRBは来年までに利上げの手を緩めるとみる向きは少ない。