サウジアラビアは原油増産能力の余地が限られており、こうした制約のため同国政府は、仮に増産の意向があった場合でも世界的な供給を増やすことが難しいもようだ。サウジの原油生産能力に詳しい関係者が明らかにした。ジョー・バイデン米大統領は最近、注目のサウジ訪問を終え、世界の原油供給量押し上げに同国が寄与することを期待していると述べた。事実上サウジが主導する石油輸出国機構(OPEC)は8月前半に会合を開き、現行の生産割り当てを拡大するかどうかを決める。OPECと非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」が増産に動くとすれば、重要な問題は増産規模だ。サウジが現行の生産量から直ちに増やせる余剰生産能力はわずかで、たとえ増産しても原油価格を明らかに下げるほどにはならない可能性が高い。