コロナ情報とパスポート写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍はまだ予断を許さないものの、そろそろ海外旅行に行きたいと夏休みの計画を立てている人も多いだろう。だが、海外で万一コロナに感染したときの費用負担をどうするか。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第244回では、今海外旅行に行く前に、医療費の面でどんな準備が必要なのかを考えてみよう。(フリーライター 早川幸子)

コロナ禍の夏休み、海外旅行に行くなら
海外旅行傷害保険に加入を

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が始まってから、3回目の夏がやってきた。

 経済活動の正常化に向けて、世界の国々は、外国人旅行者の入国制限や行動制限の緩和・撤廃に踏みだしている。COVID-19に関する出入国の要件は、国ごとに異なるが、たとえばアメリカやフランスなど、ワクチン接種済みの人なら、原則的に入国制限や行動制限のない国もある。

 こうした国際的な渡航事情の変化により、日本でも海外旅行を計画する人が増えているようだ。7月7日、旅行会社大手のJTBが発表した「2022年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」によると、この夏の日本の海外旅行者数は50万人になると推計されている。

 2019年夏の海外旅行者数は294万人だったので、コロナ禍以前の6分の1程度にとどまるものの、2020年の5万人、2021年の9万人に比べると、1桁上がっている。国際的な往来の再開に伴い、今後は海外旅行需要も徐々に復活していくことが見込まれる。

 とはいえ、COVID-19は完全に収束したわけではない。現在は、オミクロン株の亜系統BA.5が急速に拡大している。7月20日現在の国内の新規陽性者数は過去最多の15万2535人で、全世界では、毎日、70万~90万人程度の人が新たに感染している。

 こうした状況下で海外旅行をする場合に、どのような準備が必要なのか。ぜひとも加入しておきたいのが海外旅行傷害保険だ。その理由を次ページから解説していこう。

●海外でコロナで入院・治療すると数千万円の出費となる場合もある
●健康保険の海外療養費だけでは賄いきれない。海外旅行傷害保険の加入は必須