米電気自動車(EV)大手テスラはキャッシュフローを維持するために、成長し続けなければいけない。テスラが20日発表した4-6月期(第2四半期)決算で、フリーキャッシュフローは6億2100万ドルと、1-3月期の22億ドルから大幅に減少した。中国で4~5月に新型コロナウイルス感染拡大に伴う工場閉鎖が起きたことや、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が徐々に弱気の発言になったことから、業績悪化は広く予想されていた。最終的な数字はアナリスト予想をわずかに上回った(ファクトセットが集計したフリーキャッシュフローの予想は4億8700万ドル)。株価は時間外取引でさほど大きく動かなかった。とはいえ、この結果は、従来の自動車メーカーを苦しめるのと同じタイプの現実世界の問題にテスラがさらされており、憂慮すべき財務面の影響があることを浮き彫りにした。テスラは決して工場やサプライチェーン(供給網)の懸念から解放された、デジタルなパラレルワールドで生きられるハイテク企業ではない。同社はハードウエアの利益に「いずれは」ソフトウエアの利益が上乗せされるという決まり文句の希望的観測を繰り返したが、今はまだ圧倒的に「製造業」であり、それに伴うあらゆるリスクを負っている。