欧州中央銀行(ECB)は21日、主要政策金利を0.50ポイント引き上げてゼロ%とするほか、財政基盤がぜい弱なユーロ加盟国の債券を購入する新たな措置を発表した。急速なインフレ高進と経済成長鈍化への対応を急ぐ。0.50ポイントの利上げ幅は予想以上で、ECBは8年続けたマイナス金利政策を終えることになる。ECB当局者は数週間前から、7月の利上げ幅は0.25ポイントになる可能性が高いと示唆していた。今回の措置からは、当局者が域内の根強い高インフレに対し懸念を強めている様子がうかがえる。ECBは、金利をより正常な水準に近づけるため、利上げを継続すると表明。さらに、加盟国間で金利差が開きすぎないように債券を購入する「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」プログラムを新たに立ち上げたと明らかにした。購入規模は事前に制限せず、リスクの度合いによって決めるという。