中国の主要自動車メーカーの多くは今年、新型コロナウイルス感染対策の厳格なロックダウン(都市封鎖)やサプライチェーン(供給網)混乱による打撃で、販売台数が落ち込んでいる。その中で、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が支援する中国の比亜迪(BYD)はライバルを猛スピードで追い抜き、首位の座に迫っている。BYDは多くの中国人にとって国の威信の源泉であり、外国でも成功を収めている。米国では電動バスのメーカーとして知られ、カリフォルニア州ランカスターの工場で生産されたバスがロサンゼルスやコロラド州デンバーなど各地を走っている。中国がコロナ感染爆発への対応に追われた今年上半期、BYDは国内市場で独フォルクスワーゲン(VW)と中国第一汽車集団(FAW)の合弁会社に次ぎ、第2位の販売台数を記録した。1年前は15位にも入っていなかったことを考えると、これは驚くべき躍進だ。中国乗用車協会のデータによると、同期間にBYDの自動車販売台数は前年同期比で2倍余りに増加した(市場全体は7.2%減少)。深圳市場に上場する同社の株価は、過去6カ月で30%強上昇している。