主要国の中央銀行による超金融緩和策の時代が総じて幕を閉じるのに伴い、マイナス利回りの債券も7年ぶりの水準に減少している。ブルームバーグ・バークレイズ指数によると、先週時点でマイナス利回りの債券発行残高は2兆4000億ドル(約330兆円)となった。ピークをつけた2020年12月の18兆4000億ドルからは87%の急減だ。償還まで保有すれば確実に損失が出るにもかかわらず、マイナス利回りの債券への買いが衰えない状況は、過去10年に金融市場で起きた最も特異な現象の1つだった。低すぎるインフレに対処するため、欧州中央銀行(ECB)や日本銀行などがマイナス金利政策を導入する中、2010年代半ば頃からマイナス利回りの債券が急増した。