人工知能(AI)はいつの日か、本物の人間のようなサイボーグや人間の豊かな想像力の産物に搭載されるようになるかもしれない。だが今のところインゴ・ストーク氏が取り組んでいるのは、そのテクノロジーを使用して飲食チェーンの食品ロスの削減と労働の効率化を図ることだ。ストーク氏はスタートアップ企業プレシテースト(PreciTaste)の共同創設者で、同社ではAI搭載のセンサーやアルゴリズムを使用して、かなり具体的なタスクを達成している。特定の時間にどのくらいの量の食べ物が注文されるかを予測し、タイミングよく料理を準備できるようにするというタスクだ。ストーク氏が食品ロスを減らすアイデアを思い付いたのは、数年前のある午後にファストフードレストランを訪れたことがきっかけだった。同氏はそこで調理係がハンバーガーのパテを30枚焼き、結局、来店客がいないために全てを廃棄するのを目にした。なぜこの調理係は、お客の少ない日ではなく、通常の日を想定して作成された1日のスケジュールに従わなければならないのかと不思議に思った。
地味でも有用なAI、企業の現場で活躍
SFの世界とはほど遠いが、音声認識などの限定的タスクで働き利益に貢献
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