米連邦準備制度理事会(FRB)は景気を冷やす取り組みの一環として、さらなる大幅利上げを決めた。だが、次回9月の会合までには、熱はかなり下がっているかもしれない。FRBは27日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75ポイント引き上げた。その理由は容易に理解できる。6月半ばの前回会合以降に発表されたインフレ統計は高止まりしており、米労働省が公表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.1%上昇した。労働市場も引き続き力強く、先月の雇用者数は約37万2000人増える一方、失業率は3.6%の水準にとどまっている。FRBが利上げ継続の方針を否定したわけではない。しかし、ジェローム・パウエル議長が会合後の会見で、弱含みのデータが出れば切迫性は弱まるとの考えを示唆すると、発言を好感して株式などの資産が大きく値上がりした。それでもパウエル氏は6月に公表したFRB当局者の見通しに触れ、年内にさらに1ポイント、来年にはもう0.50ポイントの利上げが予想されている点を強調。今後の指標次第で、必要なら0.75ポイントの利上げもあり得ると言明した。