JR東日本・東海…JR4社の業績で「コロナ禍の戦況」丸わかり、現状は?Photo:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の鉄道(JR)編だ。

JR4社の業績で「コロナ禍の戦況」丸わかり、現状は?

鉄道(JR)の主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯JR東日本の鉄道営業収入
 4月度:前年同月比133.8%(33.8%増)
 5月度:同152.7%(52.7%増)
 6月度:同139.1%(39.1%増)

◯JR東海の新幹線の利用状況
 4月度:前年同月比162%(62%増)
 5月度:同258%(158%増)
 6月度:同194%(94%増)

◯JR西日本の運輸取扱収入
 4月度:前年同月比144.7%(44.7%増)
 5月度:同193.0%(93.0%増)
 6月度:同152.1%(52.1%増)

◯JR九州の運輸取扱収入
 4月度:前年同月比136.8%(36.8%増)
 5月度:同181.6%(81.6%増)
 6月度:同155.1%(55.1%増)

 4社全てが3カ月連続で大幅な増収を達成している。特に6月度の業績に注目すると、JR東海は194%(94%増)と爆発的な伸びを見せている。

 さらに、次ページで詳しく解説するが、実は4社全てが月次業績において9カ月連続の前年超えとなっている。

 このようにJR各社は新型コロナウイルス禍からの回復を遂げているように見えるが、実はどこも手放しで喜べるような状況ではない。コロナ前の水準と比較すると印象がガラリと変わる。

 さらに、業績の推移を時系列に沿って確認すると「ある共通点」が見えてくる。