米企業の最高経営責任者(CEO)が、かつてないほど従業員を思いやり、優しかった時期が過ぎ去ろうとしている。新型コロナウイルス禍の大半において、企業のCEOは集会で辛抱強く質問に応じたり、従業員に安心感を抱かせるメッセージを発信したり、よりソフトなイメージを醸し出したりしてきた。だが、景気悪化の兆候が表れる中で彼らの口調が変わってきている。グーグルの親会社アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは先月、従業員に対し「経済状況が今より良かった時にわれわれが示してきた以上の危機感、集中度、貪欲さ」をもって働くよう指示した。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEOは先月下旬、事業への集中度を高めなければならないとした上で「より少ない資源でより多くを成し遂げられると期待している」と語った。また、同社のエンジニアリング部門トップは最近、管理職に対し、従業員の解雇に向け仕事の能率の悪い者を特定し、報告するよう指示していた。