商談や説明会、企画発表など、ビジネスパーソンがプレゼンを行う機会は多い。しかし、プレゼンが「苦手だ」と感じている人は多いのではないだろうか?
そこで役立つのが、1000社・1万人を超えるビジネスパーソンを対象にプレゼンスキルを伝授してきた、前田鎌利さんのベストセラーシリーズ最新刊『【完全版】社外プレゼンの資料作成術』。
今回は、伝わるプレゼンのメカニズムや、すぐに実践できる資料作りのテクニックなどを前田さんに語っていただいた本書刊行記念セミナー(ダイヤモンド社「The Salon」主催)より、講演とQ&Aセッションの模様を全2回のダイジェストでお届けする。(構成/根本隼)
やってはいけない「NGな話し方」ワースト3
前田鎌利(以下、前田) プレゼンは資料作りだけでなく、話し方にも注意が必要です。
絶対にNGな話し方を3つ紹介します。1つ目は、ダラダラと長く喋ること。長時間話し続けないのはもちろん、ワンセンテンスを長くしないことも大事です。聞く側が理解しやすいように、なるべく短く切って話してください。
2つ目は、資料に書いている内容をそのまま読み上げることです。これをやってしまうと、聞き手も資料の文章を目で追いかけるだけになり、話に耳を傾けてくれません。
そして最後が、一方的に話すことです。双方向性がないと相手の集中はすぐ切れてしまうので、「ここまで理解できていますか」「何か不明点はありますか」と適宜呼びかけて、インタラクティブなやりとりを心がけてください。オンラインの場合は、できればお互いにカメラをオンにして、表情を見ながら話せるとベストですね。
フィラーを使いそうになったら「黙る」
あとは、「あの~」「えっと~」「え~」のように話の合間に挟み込む「フィラー」をなるべく使わないようにしましょう。
フィラーが入るだけで話が長くなりますし、聞く側からすると自信なさげに見えたり、話す内容が決まってないように思われたりしてしまいます。
フィラーを使わずに済む方法は簡単。「え~」と言いそうになったら黙ることです。黙っている方が、自分の考えを整理しているのが伝わりますし、相手も聞いた内容を理解するための間が持てます。
本番の前に6回練習しよう
プレゼン本番でうまく話すには、事前練習が6回必要です。最初の3回は、自分のプレゼンの様子を録画してセルフチェックしましょう。
1回目…うまく喋れているか、話し方をチェック
2回目…時間を測って、時間内に話せているかチェック
3回目…決裁者の立場に立ってチェック
セルフチェックを3回やって自分が納得できたら、残りの3回は第三者へのプレゼン練習です。このときは、必ず相手に質問をしてもらってください。これによって、本番に向けて想定質問のストックが増えますし、答えられる材料がなければ、本番までにエビデンスを用意できます。
練習相手は、決裁者の視点に立てる人を選びましょう。クライアントや意思決定者の立場を理解している人に質問をしてもらうと、FAQが充実します。