営業、説明会、発表会……。社外プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、プレゼン資料の作成に多くの手間と時間をかけているにもかかわらず、思うような反応が得られずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが、1000社を超える企業で採用された前田鎌利氏の著書『完全版 社外プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)です。本書では、「プレゼン資料」の作成ノウハウを、スライド実例を豊富に掲載しながら手取り足取り教えてくれます。読者からは「大事なプレゼンでOKを勝ち取ることができた」「プレゼンに対する苦手意識を克服できた」「効果的なプレゼン資料を短時間で作れるようになった」といった声が多数寄せられています。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、営業プレゼンの表紙スライドの作り方、特にタイトルの作り方について解説しました。

【最強のプレゼン資料】なぜ、「タイトル」は13文字以内にすべきなのか?写真はイメージです Photo: Adobe Stock

タイトルは「文章」にしない

 営業プレゼンのタイトルを表紙でどう見せるか? 

 これは、直球がベストです。つまり、表紙スライドのど真ん中に大きく表示して、「何を提案するのか」を明確に打ち出すのです。

 重要なのは、一目で理解できるように、できるだけ短いタイトルにすること。プレゼン資料の、タイトルやキーメッセージは「13文字以内」が原則(13文字を超えると、人間は一目で文意を理解するのが極めて困難になるからです)。そのためには、文章にしないことが重要です。

 下図の2枚の表紙のタイトルを比べてください。

【最強のプレゼン資料】なぜ、「タイトル」は13文字以内にすべきなのか?表紙に写真を入れることで、わかりやすくするのも大事なポイントです。

「電子カタログ管理ツール『デジカタ』導入のご提案」と文章にするよりも、「電子カタログ管理ツール」「デジカタ」「導入提案書」と3つの短い言葉に分けて、最も重要な「デジカタ」という商品名を極大フォントで表示するほうがわかりやすいはずです(この場合、タイトルは「デジカタ」の4文字)。

 このように、タイトルは、できるだけ13文字以内になるようにしたうえで、スライド中央に大きく表示するようにしてください。

「営業先企業名」と「日付」は必ず入れる

 また、表紙で忘れてはならないのが「営業先企業名」と「日付」を明記することです(下図参照)。スライド左上に「営業先企業名」、右下に「日付」と「自社名(ロゴ使用)」を入れてください。

【最強のプレゼン資料】なぜ、「タイトル」は13文字以内にすべきなのか?

 これは、思いもよらない「事故」を防止するためにも必須のポイントです。

 というのは、営業担当者は複数の顧客にプレゼンするからです。営業先によってプレゼン内容は変わってきますから、「営業先企業名」を明記しておかなければ、誤って別の営業先向けの資料を開いてしまうおそれがあります。

 また、1回の商談で契約にこぎつけることはほとんどありません。そのため、「日付」を明記しておかなければ、古いプレゼン資料を見せてしまうミスも起こりかねません。このような事故を防ぐためにも、必ず、表紙に「営業先企業名」と「日付」を記入するクセをつけてください。

 ちなみに、「自社名」は必ず企業ロゴを使うようにしてください。社名はロゴというビジュアルで、相手の記憶に残すことが重要だからです。あらゆる機会を捉えて企業ロゴを人々の頭に刷り込むことは、企業ブランディングの基本。それを、プレゼン資料でも徹底していただきたいと思います。

(本稿は、『完全版 社外プレゼンの資料作成術』より一部を抜粋・編集したものです)