営業、説明会、発表会……。社外プレゼンはビジネスパーソン必須のスキル。ところが、プレゼン資料の作成に多くの手間と時間をかけているにもかかわらず、思うような反応が得られずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが、1000社を超える企業で採用された前田鎌利氏の著書『完全版 社外プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)です。本書では、「プレゼン資料」の作成ノウハウを、スライド実例を豊富に掲載しながら手取り足取り教えてくれます。読者からは「大事なプレゼンでOKを勝ち取ることができた」「プレゼンに対する苦手意識を克服できた」「効果的なプレゼン資料を短時間で作れるようになった」といった声が多数寄せられています。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、社外プレゼンの効果的な「表紙」の作り方について解説しました。
画像で「感情」にアプローチして、口頭で「説明」する
社外プレゼン資料は、聞き手の感情を刺激する必要があります。
そのためには、「文章で何かを説明しよう」とする意識を捨てなければなりません。スライドに文章を記せば、聞き手はそれを「読もう」としてしまいます。そして、内容を「理解」することで手一杯になり、「感情」が置いてきぼりになってしまうのです。
つまり、論理的思考を得意とする左脳を刺激するのではなく、直感的に物事を把握することに長けた右脳を刺激するスライドをつくらなければならない、ということ。
そして、右脳を刺激するのは写真などのビジュアル。だから、ほぼすべてのスライドでビジュアル要素を強く打ち出す必要があります。ビジュアルで「感情」にアプローチして、口頭で「説明」する。これが、社外プレゼンの基本的なスタンスなのです。
ビジュアルを使って、「ピン」とくる表紙をつくる
それは、表紙も例外ではありません。
下図をご覧ください。これは、電子カタログの「デジカタ」という架空の商品に関する営業プレゼン資料の表紙です。テキストだけのものと、ビジュアルをスライド全面に敷いたもの。どちらが、聞き手にピンと来るでしょうか?
明らかにビジュアル・バージョンのほうです。
表紙を見ただけで、「タブレットでカタログを表示するんだな……」と具体的なイメージがわいてくるからです。テキストだけだと、「何の提案だろう?」とタイトルの意味を考えなければなりません。それは、とても不親切ではないでしょうか?
だから、私は、社外プレゼン資料の表紙には、必ず写真を使うようにしています。聞き手がピンと来る瞬間は、一瞬でも早いほうがいいからです。
ビジュアルで「ワクワク感」を伝える
表紙にビジュアルを入れる効果は、提案内容を直感的に把握してもらうことだけではありません。下図をご覧ください。これは、有機農法で育てたクリーンな食品を届けるサービスに関するプレゼン資料の表紙です。
いかがでしょうか? 美しい田んぼの写真が背景にあると、「さわやか」「健康的」といったポジティブなイメージが一瞬で伝わります。これらは誰もが求めているイメージですから、表紙を見た瞬間にプレゼンに対して「よい感情」「ワクワクする気持ち」をもってもらえるわけです。
テキストだけの表紙では、このような感情をもってもらうことは不可能。これも、表紙に写真を使う大きな効果なのです。
(本稿は、『完全版 社外プレゼンの資料作成術』より一部を抜粋・編集したものです)