他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。

「今日はご馳走しますね」と言われたら、感じいい人は何と返事する?Photo: Adobe Stock

感じいい人は、へりくだり過ぎない

 飲み会や会食など、飲食店でごちそうになった時に、なんと伝えますか?「ありがとうございます」とお礼を伝えるのはもちろんですが、さらに、

「出してもらって、なんだかすみません」

 などと、申し訳ないというニュアンスの言葉を口にしていないでしょうか?

 決して間違いではありませんが、相手はご馳走したいと思ったから、支払いを買って出てくれているのです。その心意気を大切にできるといいですよね。

「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです!」

 こんな風に、謝るよりも素直に「ごちそうさま」を伝えましょう。もちろんお礼と笑顔も忘れずに。

感じいい人は「過ごした時間」にも感謝を忘れない

 相手が目上の人の場合は「ありがとうございます」に続けて、

「お言葉に甘えさせていただきますね」

 と伝えましょう。

 また、

「ごちそうさまです。とても楽しいひとときでした」

 なんて言うのもいいですね。支払ってもらったことだけでなく、一緒に過ごせた時間にも感謝の気持ちを伝えてください。

 またこの人と会いたい、お話したいと思ったら、

「今度は私に、ごちそうさせてくださいね」

 と添えるのもいいでしょう。「次に会えるのを楽しみにしている」というニュアンスが込められます。

金額の話題は控えましょう

 会計額が気になることありますよね。でも大切なのは「ごちそうしたい」と思ってくれた相手の気持ち。「いくらでしたか?」と尋ねるのは野暮というものです。

 いつも以上においしそうに食べて、楽しい会話に花を咲かせましょう。支払ってくれた相手が上司や先輩の場合は、仕事に精を出すことが、最高の恩返しとなります。

お礼状を出すのも素敵

 デジタルの時代だからこそ、アナログな手書きのお礼状は喜んでいただけます。ただし、手紙は届くのに数日かかるため、まずは先にひと言、メールなどで簡単にお礼を伝えておくと、なおいいでしょう。

 手紙は、形式張った長い文章より、短くてもいいので生き生きとした言葉でつづりたいものですね。

 感謝は熱いうちに、熱い言葉で。

『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)