米バイデン政権は空軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の定例発射実験を見送った。中国軍が台湾周辺で軍事演習を実施する中、中国との緊張激化を回避したい狙いだ。ホワイトハウスが4日明らかにした。空軍は今週カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で実施する予定だった発射実験を延期した。国防当局者によると、ロイド・オースティン国防長官が中国をさらに刺激しないように実験の延期を命じた。この当局者は「以前から予定されていた実験だが、台湾を巡る中国の行動を踏まえて、一切の誤解を避けるために延期された」と語った。ある当局者によると、このミサイル発射実験は10日間延期される可能性がある。今週のナンシー・ペロシ米下院議長(民主、カリフォルニア州)の台湾訪問に対し、中国は台湾周辺でミサイルを発射するなど、4日間にわたる実弾演習を実施している。中国政府は、ペロシ氏の訪台は台湾との関係を制限するとした以前の合意を台無しにするものだと反発していた。