中国の電子商取引最大手アリババグループを巡る状況はなお厳しい。中国の規制当局から激しい怒りの矛先を向けられ、それを乗り越えたものの、今度はすぐには浮上しそうもない中国経済に適応していく必要がある。新たな規制の波はかつてほど急激ではないかもしれない一方で、不寛容な姿勢を強める中国の政治環境は永遠に続くように見える。4-6月期(第1四半期)の総売上高は小幅に減少(前年同期比0.09%減)し、営業利益は19%減少した。減収はアリババが2014年に米国で上場してから初めてとなる。それでもS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめたアナリスト予想を上回った。このことは、アナリストが中国の電子商取引(eコマース)セクターについていかに悲観的になっているかを物語っている。